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行進歌 朝の歌

(成立年不詳。旧制大阪高等商業学校)

村山 元 作詞
弘田龍太郎 作曲


<壱>
春まだ浅き若潮
今明けそむる黎明れいめい
光の中に覚醒 め ざめたる
理想の海をすべり行
舟は名に負ふ雄飛号ゆうひごう
朝風はらむ自由の
正義の旗を掲げた
おゝ荘厳の船のかげ

 

<弐>
朝日を浴びて帆も旗
くれないに燃ゆるかな
金波砕くる舷頭げんとう
双腕そうわん高く我立てば
血は青壮せいそうくだにわき
若きほこりの紅顔に
希望は燃えて太陽
その光りよりかゞやけし

<参>
情熱 胸に溢るれ
静かに澄める黒瑠璃こくるり
瞳を放つ我が
光明ひかりの波路 遙るけくも
久遠くおんの空に続きたり
船縁ふなべり洗ふ 鞺鞳とうとう
波の響きは血に はや
我等が雄図ゆうと促すよ。

 

<四>
心の翼 拡がれ
橄欖かんらんの香の高き岸
椰子や し生い茂る島々や
永遠とこわの花の咲くところ
あまかけりゆくわがたま
しばしはそこにさまよふよ
あゝ憧憬あくがれの歌高く
歓喜の国に舟を進めん


出典: 『大阪高商歌集 第一輯』(村山元 著、1921年) より。

なお、漢字表記・振り仮名は現代のものに改めてあります。誤植と思われる箇所は正しました。


著作権上の理由により曲を収録しておりませんでしたが、近く掲載いたします。


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[ 注 記 ]

<著作権について>

作詞者 村山 元氏は大正10年 [1921年] 大阪高商本科卒。昭和63年 [1988年] 9月に逝去されています。在学中は弓道部の幹事を務められたようです。

この歌の収録されている 『大阪高商歌集 第一輯』 には、村山氏が卒業に際して在学生のために作成した旨の献辞が付されています。今や忘れ去られた、村山氏自身の作詞による歌も数曲収められています。

作曲者 弘田 龍太郎氏 (明治25年 [1892年] 生 - 昭和27年 [1952年] 没) は戦前の日本を代表する作曲家の一人でした。主な作品に、『叱られて』・『靴が鳴る』・『浜千鳥』 など。校歌の作品も多数あり。著作権は 平成14年 [2002年] 末で消滅しました。

詞の方の著作権は存続しています。JASRAC 管理楽曲ではないため掲載しましたが、問題がある場合はご意見フォームからお知らせください。直ちに掲載中止いたします。

Entaro NAGATANI, 1996-2006.
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