JASRAC諸氏に問う:
以上、お答えください。答えられない場合は、貴協会には、寮歌の著作権を管理する能力が無い、と判断させて頂きます。よろしいですか。 |
2001年 7月1日より、社団法人 日本音楽著作権協会(JASRAC)がネット上における音楽の非商用利用についても著作権許諾を開始しました。
これにより、今まで利用ルールが決まっていないため JASRACに許諾を申請しても許可されなかった音楽を、個人の無料ウェブページ上に掲載することができるようになりました。
寮歌で例を挙げれば、『嗚呼玉杯』 (日本コロムビアが出版権を保有) や、上記 『嗚呼黎明は近づけり』 (沼間昌教作詞、吉田丈二作曲)、『北帰行』 (宇田博 作詞作曲) などがこれに相当します。
これはこれで喜ばしいことです。
しかし、大半の寮歌は、JASRACによる著作権管理の対象ではない 「無信託楽曲」 です。「無信託楽曲」 の場合、利用に当たって JASRACに許諾を申請する必要はありませんが、著作権者 (作詞者、作曲者、あるいはそのご遺族・同窓会) から直接許諾を得る必要があります。
問題は、JASRACは無信託楽曲については口を挟めないはずなのに、無信託楽曲を掲載しているサイトに対し、「今後の許諾に不利になる」旨匂わせて、著作権者(生死居所すら不明)から許諾をもらうか 掲載を止めるか と、脅しを 指導を行っている(と聞いた)ことです。
何の権限があって、そこまでやるのでしょうか。
「ホームページ上に勝手に音楽データが載せられ、みんながそこで音楽を聴くようになったら、CDや楽譜が売れなくなり、アーチスト達の生活が成り立たなくなってしまいます。ひいては、音楽文化の衰退にもつながります。」
無論、その通り。異議なし。
しかし、そもそも寮歌をまともに載せている本や CD自体、殆ど無いんですけど。
そもそも、私の網頁に載っていた曲は、現在流通している書籍・CD・テープに載っていない曲が多いんですが。
まあ、いいでしょう。JASRACは、寮歌を滅ぼしたいそうです。勝手にしなさい。私は、JASRACがそうした団体である限り、協力しません。
今後、寮歌のページを作られる方は、この辺の曲から始めるのが安全でしょう。
あとは、直接許諾を目指して、終わらぬ旅路に出てください。
現在流通している中で、以下の書籍・CD等は、比較的利用に耐えます。
これから寮歌を研究しようとする方は、少なくともこれらの資料を買って、研究を始めてください。
『日本寮歌集』
(日本寮歌振興会。国書刊行会より発売。1966年初版、1992年新装版発行。ISBN4-336-03320-X C0073)
『日本の唱歌(上・中・下)』
(金田一春彦、安西愛子編。1977~1982年初版。講談社文庫。[上] ISBN4-06-131368-1 C0192. [中] ISBN4-06-131369-X C0192. [下] ISBN4-06-131370-3 C0192.)
『日本寮歌大全』
(日本寮歌振興会・監修、旧制高校資料保存会・編集。国書刊行会より発売。1996年2月初版。ISBN4-336-03789-2)
『平成の愛唱寮歌八十曲選』
(尾崎良江著。国書刊行会より発売。1997年11月初版。ISBN4-336-04044-3 C0073)
CD 『明治・大正・昭和三代の青春 日本寮歌大全集』
(日本クラウン。1991年。原盤は昭和40年代の録音。CDCR-50001。3枚セット)
※ CDは、上に挙げた以外は、あまりおすすめできるものがありません。