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「紅萌ゆる」の歌詞について(1)

1997年5月10日13:51、北海道大学出身のAさん(@niftyserve.or.jp)より
 「寮歌」の極小部屋、楽しく拝見させて頂きました。私は北大出身で、大学時代に男声合唱のサークル
(北海道大学合唱団〜北大混声とは異なる)に入っており、付き合いのあった九州大学の男声合唱団が
旧制高等学校寮歌を男声合唱に編曲して唱っていたのを「かっこよく」思っていた記憶があります。
 現在も、その時の楽譜を取っており、「紅萌ゆる」「琵琶湖周航の歌」などは現在の男声合唱の仲間と
共に唱ったりしています。「都ぞ弥生」の演奏は、北大合唱団の男声演奏版の方が、より雰囲気があって
良いかと思います。
 さて、今回メール致しましたのは、「紅萌ゆる」の歌詞の読みについての問い合わせです。4番の詩に
「夕べは辿る北溟の」を ゆうべはたどる「ほくめい」の と読まれているようですが、岩波文庫の
「日本唱歌集」では、  ゆうべはたどる「きたかた」の とフリガナを付けています。我々も文庫を手に
するまでは「きたかた」と読んでいました。楽譜にそのようなフルガナがついていたためです。
 一体、どちらが正しいのでしょうか?

< えんたろうからの回答 >

お便りいただきありがとうございました。 さて、お問い合わせの歌詞の件ですが、実は「きたかた」という読み方は初めて知りました。お恥ずかしい限りです。
個人的には、読み方は両方とも正しいと思います。

私の持っている資料では、

というように漢語読みをしているものが多いです。 これは、旧制弘前高校の寮が「北溟(ほくめい)寮」、旧制高知高校の寮が「南溟(なんめい)寮」と名づけられていたように、漢文を好む時代があったため、と思います。 (荘子のことばの影響のようです)。
現代の京大の応援団は「ほくめい」と歌っているようです。
 → 梶原浩一さんのサイトをご覧ください:
http://kiriri.energy.kyoto-u.ac.jp/~kaji2/

「紅萌ゆる」の歌詞は、旧制一高の「嗚呼玉杯」に比べて和語が多いことから、作者自身は「きたかた」と読んでいたかもしれません。 このあたり、研究不足で資料がまだありません。すみません。
「極小部屋」には、「きたかた」の読みも追加しておきます。
どうもありがとうございました。

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最近手に入れた『日本寮歌大全』でも、読み仮名が付いていませんでした。
どなたか、詳しい事情をご存知の方がいらっしゃいましたら、ご意見フォームからお知らせください。

......と書いておりましたら、ほかならぬ旧制三高の出身の方からメールをいただきました。どうぞご覧ください。


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