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Re: 「紅萌ゆる」の歌詞について(2)

1997年8月21日23:05、仙台市在住の遊閑斎さん(@mb.infoweb.ne.jp)より
8月5日にいただいたメールのフォローになります。
拝啓
 お返事ありがとうございます。あれから「日本の唱歌(下)」を入手し、また
改めての「寮歌物語 我が寮歌の誕生」コピーを国立国会図書館に請求
したところ、今日ようやく到着したので、、Mailをお送りした次第です。
 まず、「寮歌物語」ですが、これに掲載されている歌詞、曲は、
京大名誉教授平田憲夫氏が所有していた原歌詞云々とありました。
 で、この平田氏というのが、「日本の唱歌」にある原歌譜の所蔵者と
同じ人であることは、おそらく間違いないものと思われます。また譜面も、
ミュー次郎で作成したところ(MIDIファイル、ダウンロードさせていただき
ました)、やはり同じものであったことから、「寮歌物語」と「日本の唱歌」は
出典がともに同じ、それも元々の歌詞、曲であると言えそうです。
 以下に「寮歌物語」にある歌詞を記します。
   一 紅もゆる丘の花        二 緑の夏の芝露に
     狭緑匂ふ岸の色          残れる星を仰ぐ時
     都の春に嘯けば          希望は高くあふれつゝ
     月こそ懸れ吉田山。        我らが胸に湧きかへる。

   三  千載、秋の水、清く      四 ラインの城や、アルペンの
      銀漢、空に冴ゆる時                谷間の氷雨、なだれ雪
      かよへる夢は崑崙の                夕べはたどる北冥の
      高嶺の此方、戈壁の原              日の影、暗き冬の波。

   五 ああ、故郷よ、野よ、花よ   六 それ、京洛の岸に散る
      此処にはもゆる六百の        三歳の春の花嵐
      光も、胸も、春の扉に        それ、京洛の山に咲く
      嘯く水や、故都の月。         三歳の秋の初紅葉。

   七 左手の書にうなづきて     八 神楽ヶ丘のはつしぐれ
     夕べの風に吟ずれば        老樹の梢伝う時
     砕けて飛べる白雲の        穂燈かゝげ吟む
     空には高し、如意ヶ嶽。      先哲至利の教にも。

   九 ああ、また遠き四千年     十 希望は照れり。東海の
     血潮の史や西の子の        み富士の裾の山櫻
     栄枯の夢を思うにも        歴史を誇る二千載
     胸こそ躍れ、若き身に       神武の子らの起てる今。

  十一 ああ洛陽の花がすみ
     櫻の下の健児らが
     今、逍遙に月白く
     静かに照れり。吉田山。

 数ヶ所歌詞の異なる点がありますが、しかし六番は見事に入れ替わっています。
一体これはどういういわれがあるのでしょうか。第参高等学校史でも見ないと
分からないのかもしれませんが、この点についても調べておきたいと思います。
 それではまた、よろしくお願いします。


@ 敬具

 追伸
 ミュー次郎に第二高等学校の寮歌を入れていたところ(地元ですので)、紅萌ゆ
るによく似た曲を発見しました。これについては後日またMailを送らさせていただ
きたいと思います。

(以下略−引用者)


< えんたろうからの回答 >

(前略)

メールをありがとうございます。
早速 拝読させていただきました。

一般に知られている歌詞とずいぶん相違点がありますね。
六番の「花」「紅葉」共に「咲く」「散る」ものですから、 入れ替わってもあまり違和感がありません......。
個人的には順番は入れ替わった方が自然な気がします。

当方でも、『日本寮歌大全』(国書刊行会)で 「紅萌ゆる」についての記述を探しましたが、 わずかに「都の春」の件と、曲調の変化の件について 触れられている程度でした。(「寮歌の歴史」)
ほかの資料も探してみようと思います。

第二高等学校寮歌の MIDI を作成しておられるとのこと。
二高の歌は「天は東北」、「山紫に水清き」ぐらいしか 知らないのですが、明朗ないい歌ですね。
あまり世に知られていない名曲等がありましたら、 またご紹介くださればうれしく存じます。

------

と回答したところ、さらにメールをいただきました。
どなたか、「紅萌ゆる」の歌詞について詳しい事情をご存知の方がいらっしゃいましたら、ご意見フォームからお知らせください。

旧制三高出身のTさんからのメールもご覧ください。


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