拝啓
お返事ありがとうございます。あれから「日本の唱歌(下)」を入手し、また
改めての「寮歌物語 我が寮歌の誕生」コピーを国立国会図書館に請求
したところ、今日ようやく到着したので、、Mailをお送りした次第です。
まず、「寮歌物語」ですが、これに掲載されている歌詞、曲は、
京大名誉教授平田憲夫氏が所有していた原歌詞云々とありました。
で、この平田氏というのが、「日本の唱歌」にある原歌譜の所蔵者と
同じ人であることは、おそらく間違いないものと思われます。また譜面も、
ミュー次郎で作成したところ(MIDIファイル、ダウンロードさせていただき
ました)、やはり同じものであったことから、「寮歌物語」と「日本の唱歌」は
出典がともに同じ、それも元々の歌詞、曲であると言えそうです。
以下に「寮歌物語」にある歌詞を記します。
一 紅もゆる丘の花 二 緑の夏の芝露に 狭緑匂ふ岸の色 残れる星を仰ぐ時 都の春に嘯けば 希望は高くあふれつゝ 月こそ懸れ吉田山。 我らが胸に湧きかへる。 三 千載、秋の水、清く 四 ラインの城や、アルペンの 銀漢、空に冴ゆる時 谷間の氷雨、なだれ雪 かよへる夢は崑崙の 夕べはたどる北冥の 高嶺の此方、戈壁の原 日の影、暗き冬の波。 五 ああ、故郷よ、野よ、花よ 六 それ、京洛の岸に散る 此処にはもゆる六百の 三歳の春の花嵐 光も、胸も、春の扉に それ、京洛の山に咲く 嘯く水や、故都の月。 三歳の秋の初紅葉。 七 左手の書にうなづきて 八 神楽ヶ丘のはつしぐれ 夕べの風に吟ずれば 老樹の梢伝う時 砕けて飛べる白雲の 穂燈かゝげ吟む 空には高し、如意ヶ嶽。 先哲至利の教にも。 九 ああ、また遠き四千年 十 希望は照れり。東海の 血潮の史や西の子の み富士の裾の山櫻 栄枯の夢を思うにも 歴史を誇る二千載 胸こそ躍れ、若き身に 神武の子らの起てる今。 十一 ああ洛陽の花がすみ 櫻の下の健児らが 今、逍遙に月白く 静かに照れり。吉田山。数ヶ所歌詞の異なる点がありますが、しかし六番は見事に入れ替わっています。
一体これはどういういわれがあるのでしょうか。第参高等学校史でも見ないと
分からないのかもしれませんが、この点についても調べておきたいと思います。
それではまた、よろしくお願いします。
@ 敬具
追伸
ミュー次郎に第二高等学校の寮歌を入れていたところ(地元ですので)、紅萌ゆ
るによく似た曲を発見しました。これについては後日またMailを送らさせていただ
きたいと思います。(以下略−引用者)
(前略)メールをありがとうございます。
早速 拝読させていただきました。
一般に知られている歌詞とずいぶん相違点がありますね。
六番の「花」「紅葉」共に「咲く」「散る」ものですから、 入れ替わってもあまり違和感がありません......。
個人的には順番は入れ替わった方が自然な気がします。
当方でも、『日本寮歌大全』(国書刊行会)で 「紅萌ゆる」についての記述を探しましたが、 わずかに「都の春」の件と、曲調の変化の件について 触れられている程度でした。(「寮歌の歴史」)
ほかの資料も探してみようと思います。
第二高等学校寮歌の MIDI を作成しておられるとのこと。
二高の歌は「天は東北」、「山紫に水清き」ぐらいしか 知らないのですが、明朗ないい歌ですね。
あまり世に知られていない名曲等がありましたら、 またご紹介くださればうれしく存じます。
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と回答したところ、さらにメールをいただきました。
どなたか、「紅萌ゆる」の歌詞について詳しい事情をご存知の方がいらっしゃいましたら、ご意見フォームからお知らせください。