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< 2. 1984年版歌集 各曲解説 (2) >

「某教団賛美歌の歴史を野次馬する頁」 表紙2. 1984年版歌集各曲解説 [1] [2]


< 目次 >

↑ 以上は 各曲解説 (1) に収録。
↓ 以下は 各曲解説 (2) に収録:

歌番号順リスト

著作権について ・ その他お約束 (このページ末尾)

「某教団賛美歌の歴史を野次馬する頁」 表紙へ


より古い歌は、[各曲解説 (1)] へどうぞ

2-3. [ 1944年版歌集で初登場したと考えられる歌 ]

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2-3-A. 歌詞・曲ともに 1944年版まで遡る歌

[ 目次へ ]

27番

Fear Them Not! (彼らを恐れるな!)

作詞者

非公表

作曲者

非公表

解 説

新約聖書マタイ伝 10章28節のキリストの言葉に基づき、"信仰のためなら殉教をも恐れるな"、と説く過激な歌。神が信者たちに語りかける形式をとっています。
1944年版以来、メロディーは変わっていません (1944年版は誤植らしき箇所があります。1950年版以降、変ロ長調から変イ長調へキーダウンされています) 。 歌詞は、変遷しながら引き継がれています。1984年版の歌詞と 1944年版の歌詞を比較すると、1984年版でのリフレイン部分の歌詞 (「恐るな 我が民 身を殺す者 [以下略] 」) と 第3節後半の歌詞とが入れ替わっています。また、1944年版では話者はキリストですが、1966年版以降ではエホバ神に変わっています。

なお、2009年の新歌集にも、33番の歌として引き継がれました。メロディーはト長調にキーダウンされました。歌詞は、1966年版・1984年版でのリフレイン部分と第3節後半の歌詞が再び入れ替わりました (「わが目の瞳のようにあなたを守ろう」 というメッセージの方が強調されることになります)。さらに、日本語版の歌詞は口語化されました。

注釈: 某教団は霊魂不滅を信じず、「人が死ぬ」=「魂が死ぬ」 と考えています。ところが、「身を殺して魂を殺し得ぬ者どもを恐れるな」 と述べるマタイ伝 10章28節に限っては、「魂」 とは 「将来 復活する見込み」 という意味での 「命」 のことだ、と唱えています。
そうだとすると、その意味での 「魂」 は、善人の場合は 「不滅」 になってしまうのでは?

資 料

1944年版 12番 「"Fear Them Not!" (仮訳:『ひとを恐るな』)」

[PNG1],[PNG2] [歌詞] [曲MIDI] *1948年改訂版

1950年版 8番 「"Fear Them Not!" (仮訳:『ひとを恐るな』)」

[PNG1],[PNG2] [歌詞] [曲MIDI]

1966年版 7番 「'Fear Them Not'! (『彼らを恐れるな』!)」

[PNG1],[PNG2] [歌詞 (ほぼ現行)] [曲MIDI]

1984年版 27番 「Fear Them Not! (彼らを恐れるな!)」

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

2009年版 33番 「Fear Them Not! (彼らを恐れてはならない!)」

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

2016年版 55番 「Fear Them Not! (恐れてはいけない!)」

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

[ 歌詞・曲ともに 1944年版まで遡る歌一覧へ ]


47番

Jehovah, Our Strength and Our Might (エホバはわたしたちの力)

作詞者

非公表

作曲者

非公表

解 説

旧約聖書イザヤ書 12章2節に基づく題名です。
現在の歌は教団独自の 『新世界訳聖書』 に基づき、「力」 が強調されていますが、機関誌 『ものみの塔』 1968年12月15日号の記事 『新しい歌の本!』 によれば、1950年版歌集 (邦訳 1955年版) での出だしの歌詞は、「主は力と歌なり (Gracious Jehovah, our strength and our song) 」 だった由です。伝統的に 「歌」 と訳されてきた言葉が、新世界訳で 「偉力 (might) 」 に変わったため、歌詞も変えられたものです。
1944年版のメロディーは、特にコーラス (リフレイン) 部が現在と異なります。1966年版でほぼ現行のメロディーとなりました。1950年版、1966年版の二度にわたってキーダウンされています。比較的穏やかですが、力強いメロディーです。

歌詞について注釈: 不快語 (差別語) とされる 「盲 (めしい) 」 が 1984年版でもそのまま残っていました (第2節)。ここでは宗教的な意味で使われているので、残されたのかもしれませんが......。
1984年版リフレイン末尾は 「汝 (なれ) こそ我が岩なり」 で終わっていました。某教団の歌詞は簡易文語であり、文語文法で云う 「係り結び」 はなされていませんでした (日本基督教団の讃美歌なら、正しく係り結びがなされますが)。

なお、2009年の新歌集にも、23番の歌として引き継がれました。メロディーは変わっていません。英語版の歌詞は一部の文言が変わった程度ですが、日本語歌詞は口語化され、大幅に変わりました。

資 料

1944年版 20番 「Thou Art Our Song! (仮訳:汝こそわが歌!)」

[PNG1],[PNG2] [歌詞] [曲MIDI] *1948年改訂版

1950年版 21番 「Jehovah, Our Song! (仮訳:エホバ、わが歌!)」

[PNG1],[PNG2] [歌詞] [曲MIDI]

1966年版 21番 「'Jehovah, Our Strength and Our Might' (『エホバはわたしたちの力』)」

[PNG1],[PNG2] [歌詞] [曲MIDI (ほぼ現行)]

1984年版 47番 「Jehovah, Our Strength and Our Might (エホバはわたしたちの力)」

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

2009年版 23番 「Jehovah, Our Strength (エホバはわたしたちの力)」

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

2016年版 7番 「Jehovah, Our Strength (エホバは私たちの力)」

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

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57番

Jehovah's Happy People (エホバの幸福な民)

作詞者

非公表

作曲者

非公表

解 説

旧約聖書詩編 89編15節に基づく歌です。
第1節の歌詞は同 15節、16節を下敷きにしています。歌詞の第2節、第3節はオリジナルで、サタン (悪魔) の攻撃や棄教への警戒、神への信頼を歌っています。
歌詞・曲ともに、1944年版から若干変化しながら 1984年版歌集まで引き継がれました (1944年版はシンコペーションが新鮮かも)。1944年版のコーラス (リフレイン) 部は、「主をその神とする国民は幸いだ (Bless'd is the nation whose God is the Lord) 」 という、詩編 33編12節の言葉で始まっていますが、「主」 ではまずかったのか、1966年版以降では 1984年版と同じ歌詞 (「慈しみは示されり」) に変えられています。いきなり半音階で上昇する、明るいメロディーです。

なお、2009年の新歌集には引き継がれませんでした。

資 料

1944年版 7番 「Blessed Are the People! (仮訳:主の民は幸いなり!)」

[PNG1],[PNG2] [歌詞] [曲MIDI] *1948年改訂版

1950年版 6番 「Blessed Are the People! (仮訳:主の民は幸いなり!)」

[PNG1],[PNG2] [歌詞] [曲MIDI]

1966年版 29番 「Jehovah's Happy People! (エホバの幸福な民)」

[PNG1],[PNG2] [歌詞] [曲MIDI]

1984年版 57番 「Jehovah's Happy People (エホバの幸福な民)」

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

2009年版歌集には載っていません

 

2016年版歌集には載っていません

 

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112番

Then They Will Know (そのとき彼らは知るであろう)

作詞者

非公表

作曲者

非公表

解 説

題名は、旧約聖書エゼキエル書 (35章15節ほか) に頻出するフレーズに基づいています。「そのとき」 とは、この歌では、"近い将来に起こる" ハルマゲドンの戦いのときを指します。ハルマゲドンで、エホバ神の敵が神の力を思い知りますように (滅びますように)、と願う歌です (ハルマゲドン待望は、この某教団の特徴の一つです。某教団によれば、キリストは既に再臨し、ハルマゲドンを今にも始めようとしている状態です。某教団はその時期を度々予言しては外していますが、「いっそ自分たちでハルマゲドンを起こそう」 とは考えていないようです)。

歌詞・曲ともに、1944年版から 若干変化しながら 1984年版歌集まで引き継がれました。1950年版で曲がハ長調から変ロ長調にキーダウンされ、歌詞も擬古体英語から現代語に改められています。

なお、2009年の新歌集には引き継がれませんでした。

注釈: 1984年版歌集の時代には、信者の子息らが文語を意識する歌の一つ (だったかもしれません)。この歌と 212番の歌を通じて、文語の 「知らん」 は 「知るだろう」、「感謝せん」 は 「感謝します」、などと、口語 (特に関西弁) とは異なる意味を持っていることに気付いた訳です。たまに、「"知る" なのか "知らない" なのか、はっきりせい」 と文句を言うオバサンもいたりしましたが、まあ、それが某教団信者の平均レベルではないでしょうか。2009年版歌集が口語歌詞に変わったのも、文語 (それも簡易化された文語) が信者にまったく理解されなくなったからです。

資 料

1944年版 36番 「Then Shall They Know! (仮訳:そのとき彼らは知らん)」

[PNG1],[PNG2] [歌詞] [曲MIDI] *1948年改訂版

1950年版 45番 「Then They Will Know! (仮訳:そのとき彼らは知らん)」

[PNG1],[PNG2] [歌詞] [曲MIDI]

1966年版 59番 「'Then They Will Know'! (『そのとき彼らは知るであろう』)」

[PNG1],[PNG2] [歌詞] [曲MIDI]

1984年版 112番 「Then They Will Know (そのとき彼らは知るであろう)」

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

2009年版歌集には載っていません

 

2016年版歌集には載っていません

 

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143番

Take Sides With Jehovah! (エホバの側に立て!)

作詞者

非公表

作曲者

非公表

解 説

信者を励ます歌。第1節で "悪しき教え" (他宗) からの解放の喜び、第2節で信者の務め、第3節で悪魔 (敵) への警戒と神への信頼を歌っています。
日本語版では、1984年版歌集まで、代表的な字余りソングでした。合唱 (リフレイン) 部の音符が足りず、8箇所で、1音符に 2音節が割り当てられていました。
歌詞・曲ともに、1944年版歌集から多少変化しながら受け継がれています。「TheoShare.Com」 (http://www.theoshare.com) に掲載されていた WBBR (某教団が第二次大戦前後に運営していたラジオ局) 放送からの録音 MP3 を聴く限り、1948年改訂版とも歌詞の異なる箇所があります (例えば、「Tell, tell the glad tidings He bringeth release.」)。1944年初版の歌詞は 1948年改訂版と異なっていたのかもしれません。
⇒ TheoShare.Com は消滅しましたが、同じ音源が Youtube にアップロードされていました。(これも消滅)

なお、2009年の新歌集には 27番の歌として引き継がれました。英語版の歌詞は一部の文言が変わった程度ですが、日本語歌詞は口語化され、字余りも解消されました。

資 料

1944年版 38番 「Take Sides with Jehovah! (仮訳:エホバの側に立て!)」

Go to TheoShare.Com (消滅)

[PNG1],[PNG2] [歌詞] [曲MIDI] * 1948年改訂版

1950年版 57番 「Take Sides with Jehovah! (仮訳:エホバの側に立て!)」

[PNG1],[PNG2] [歌詞] [曲MIDI]

1966年版 76番 「Take Sides with Jehovah! (エホバの側に立て!)」

[PNG1],[PNG2] [歌詞] [曲MIDI]

1984年版 143番 「Take Sides With Jehovah! (エホバの側に立て!)」

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

2009年版 27番 「Take Sides With Jehovah! (エホバの側に立ちなさい!)」

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

2016年版 32番 「Take Sides With Jehovah! (エホバの側に立つ)」

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

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146番

Flee to God's Kingdom! (神の王国へ逃れよ!)

作詞者

非公表

作曲者

非公表

解 説

神の王国への帰依を勧める歌 (逃げ込んだ先が、本当の神の王国ならいいのですが......)。 第1節の歌詞は、旧約聖書ゼパニヤ書2章3節に基づいています。神の御怒りの日が来ないうちに、神に帰依し、御恵みを乞え。もしかしたら、命を容赦してもらえるかも......という意味の、かなり厳しい文章で、「もしかしたら」 という部分が目を惹きます。救われるかどうかは、神の御情け次第という訳です。この歌の歌詞も、元の英語版ではこの考えが残っていますが、邦詞ではそこまで表現する余裕がなかったようです。第2節、第3節では、すでにキリストの王国が成立した、と独自の教義を歌っています。
歌詞・曲ともに、1944年版から多少変化しながら引き継がれています。1966年版・1984年版では、随所にフェルマータが追加され、情感を込めて歌いやすくなっていました。

なお、2009年版の新歌集には 16番の歌として引き継がれました。英語版の歌詞は表記が変わった程度ですが、日本語版歌詞は口語化され、大幅に変わりました。2016年版の新歌集には引き継がれませんでした。

注釈: 減和音を使いすぎているせいか、今ひとつ すっきりした印象の無い曲ですが、「王国の調べ」 ではもう少しノーマルな和音使いになっており、なかなか温厚ないい曲だと気付かされます。

資 料

1944年版 45番 「Flee to the Kingdom (仮訳:御国へ逃れよ)」

[PNG1],[PNG2] [歌詞] [曲MIDI] * 1948年改訂版

1950年版 53番 「Flee to the Kingdom! (仮訳:御国へ逃れよ!)」

[PNG1],[PNG2] [歌詞] [曲MIDI]

1966年版 80番 「Flee to God's Kingdom! (神の王国へ逃れよ!)」

[PNG1],[PNG2] [歌詞] [曲MIDI]

1984年版 146番 「Flee to God's Kingdom! (神の王国へ逃れよ!)」

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

2009年版 16番 「Flee to God's Kingdom! (神の王国へ逃れなさい!)」

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

2016年版には載っていません

 

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209番

Follow the Warrior King! (戦人なる王の後に従え!)

作詞者

非公表

作曲者

非公表

解 説

題名からして軍歌。参照聖句は新約聖書エフェソス (エペソ) 書 6章16、17節で、「信仰の大盾」・「救いのかぶと」・「霊の剣」 を身に付けて戦うよう書かれています。(歌詞では第2節で言及されています。「真理の帯」 と 「義の胸当て」 と 「福音の靴」 はスルー?) 「戦人 (いくさびと) なる王」 が誰なのかは、はっきりとは書かれていません。キリストと考えるのが穏当ですが、歌詞に登場する固有名詞はエホバのみです。
1984年版歌集で初登場したように思われていますが、実際には 1944年版歌集ですでに登場していた古い歌です。曲・歌詞ともに、多少変化して引き継がれていますが、1966年版歌集にはなぜか載りませんでした。1944年版・1950年版の歌詞では、「大エフタ (the Greater Jephthah) の後に従え」、と歌っており、これはキリストを指しています。

なお、2009年の新歌集には引き継がれませんでした。

資 料

1944年版 26番 「Forward Go! (仮訳:すすめ!)」

[PNG1],[PNG2] [歌詞] [曲MIDI] * 1948年改訂版

1950年版 23番 「Forward Go! (仮訳:すすめ!)」

[PNG1],[PNG2] [歌詞] [曲MIDI (ほぼ現行)]

1966年版 には載っていません

 

1984年版 209番 「Follow the Warrior King! (戦人なる王の後に従え!)」

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

2009年版歌集には載っていません

 

2016年版歌集には載っていません

 

[ 歌詞・曲ともに 1944年版まで遡る歌一覧へ ] | [ 目次へ ]


2-3-B. 歌詞のみ 1944年版まで遡る歌

以下の 1曲のみです。

46番

The Scriptures - Inspired and Beneficial (聖書 ─ 霊感によるもので有益である)

作詞者

非公表

作曲者

非公表

解 説

新約聖書テモテ後書3章16、17節に基づく題名。某教団は 「逐語霊感説」 (聖書は一語一語神の霊感によって書かれた、とする立場) を取っており、その根拠とされる聖句です。実際には、聖書の記述を 100% 真に受けることは無理なのですが...... (某教団はむしろ、聖書に基づかない教義が多い、と批判されています)。
この歌の歌詞の一部 (第1節、第4節) は、1905年版歌集以来掲載されていた 『Blessed Bible (恵み受けし聖書)』 という歌の 1944年版歌詞 第2節、第4節にさかのぼります。1905年版以来の原詩は、Fanny Crosby の同名の詩にヒントを得て書かれたものと思われますが、1944年版の第2節、第4節は信者による作詞でしょう。曲は 「MERCY」 (Louis M. Gottschalk [1829-1869] 作曲) が1928年版以来 (恐らく 1905年版も) 使われていました。

1966年版歌集で、ほぼ現在の歌詞・曲の組み合わせとなりました。英語版歌詞は、1966年版と1984年版とでは 1語のみ変えられています。第3節の 「aids」 → 「helps」 です。理由はご想像通りでしょう。日本語歌詞はかなり改良が加えられています。

なお、2009年版歌集には 37番の歌として引き継がれました。英語版歌詞は 1984年版の第2節と第3節が入れ替わり、第4節は廃止されました。また、第1節の歌詞も変更されたため、1944年版以来引き継がれてきた箇所は消滅しました。日本語歌詞は口語化されて大幅に変わりました。曲も ヘ長調 → 変ホ長調にキーダウンされています。

資 料

1944年版 4番 「The Word of Truth (仮訳:真理の御言葉)」

[PNG] [歌詞] [曲MIDI (別の曲:MERCY)] *1948年改訂版

1950年版 7番 「His Word Is Truth (仮訳:御言葉は真理)」

[PNG] [歌詞] [曲MIDI (別の曲:MERCY)]

1966年版 20番 「The Scriptures - Inspired and Beneficial
   (聖書 ─ 霊感によるもので有益である)」

[PNG] [歌詞 (ほぼ現行)] [曲MIDI (現行)]

1984年版 46番 「The Scriptures - Inspired and Beneficial
   (聖書 ─ 霊感によるもので有益である)」

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

2009年版 37番 「The Scriptures - Inspired of God (聖書 ─ 神の霊感によるもの)」

歌詞は大幅変更。曲はキーダウン。

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

2016年版 98番 「The Scriptures - Inspired of God (聖書は神の言葉)」

歌詞は大幅変更。曲はキーダウン。

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

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2-3-C. 曲のみ 1944年版まで遡る歌

該当する歌はありません。

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2-4. [ 1950年版歌集より前に初登場したと考えられる歌 ]

1944年版歌集で登場せず、1950年版歌集より前に登場した歌、と特定できるのは、この 1曲のみ。

29番

Forward, You Witnesses! (証人たちよ、進め!)

作詞者

無記名 (原詞は、Erich Frost による)

作曲者

無記名 (原曲は、Erich Frost による)

解 説

某教団のテーマソングの一つ。また、作者が明らかにされた例外的な歌の一つです。
某教団の機関誌 『ものみの塔』 1988年3月15日号 21頁によれば、作者は Erich Frost (ドイツ語読みでは、エーリヒ・フロスト) [1900-1987] で、教団ドイツ支部の監督を長年務めた人物です。米国ホロコースト記念館の記事 (https://www.ushmm.org/collections/the-museums-collections/collections-highlights/music-of-the-holocaust-highlights-from-the-collection/music-of-the-holocaust/stand-fast) によれば、この歌は元々 第二次大戦中の 1942年、ザクセンハウゼン強制収容所で作られた由です。録音を聴く限り、原曲は現行の約 2倍の長さがあり、また歌詞 (ドイツ語) も 5節まであります。
当時の一信者の回想録 『Facing the Lion (ライオンに立ち向かって)』 (Simone Arnold Liebster著、邦訳 ISBN 4-900710-02-4) にも、この歌に言及した箇所があり、地下活動を通じてドイツ近辺の信者の間に知られていたことがうかがえます。機関誌の前述記事によれば、この歌の原稿はスイス経由でアメリカの教団本部に送られ、1948年8月1日、教団の宣教師学校の卒業式で初演された由です。

1950年版歌集では、原曲に近いメロディーで収録されています (ただし、歌詞は 3節までで、ほぼ新作)。1966年版歌集で、1984年版と同じ短い曲と歌詞に改められました。

なお、2009年版歌集には、17番の歌として引き継がれました。英語版歌詞は、1984年版の第2節と第3節の内容が入れ替わり、コーラス(リフレイン)の 「神の新秩序は近い (God's new order is near)」 という箇所が 「パラダイスは近い (the paradise is near)」 に改められました。日本語歌詞は口語化され大幅に変わりました。

注釈: この曲の著作権は、作者個人に帰属するのでしょうか? それとも、教団(法人) に帰属するのでしょうか? ここでは、教団に帰属するものとして掲載しております (つまり、1950年版の著作権は日本法では すでに消滅)。

資 料

1942年 原歌 「Fest steht (仮訳:堅く立て)」

米国ホロコースト記念館 (直リンク) で聴けます。

1950年版 12番 「Forward! You Witnesses! (仮訳:証者たちよ すすめ!)」

[PNG1], [PNG2] [歌詞] [曲MIDI]

1966年版 11番 「Forward, You Witnesses! (証人たちよ、進め!)」

[歌詞 (ほぼ現行)] [曲MIDI (ほぼ現行)]

1984年版 29番 「Forward, You Witnesses! (証人たちよ、進め!)」

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

2009年版 17番 「Forward, You Witnesses! (証人たちよ、進め!)」

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

2016年版 61番 「Forward, You Witnesses! (証人たちよ、進め!)」

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

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2-5. [ 1950年版歌集で初登場したと考えられる歌 ]

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2-5-A. 歌詞・曲ともに 1950年版まで遡る歌

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14番

"Be Glad, You Nations"! (『諸国民よ、喜べ!』)

作詞者

非公表

作曲者

非公表

解 説

題名の出典は新約聖書 ローマ書15章10節より。第二次大戦前と異なり、「残りの者」 以外の 「大群衆」 を念頭に置いた歌。(注意: 「諸国民」 とは、元来は ユダヤ人以外 (異邦人) を指す言葉です。ユダヤ教ではユダヤ人 (主の民) のみが救済対象でしたが、キリスト教では、異邦人にも救済の道が開かれた、と説きます。しかし某教団では 1938年以降、天に行くのは 14万4000人の信者 「残りの者」=「主の民」 だけで、それ以外の信者 「大群衆」=「諸国民」 は地上の楽園に行く、と説いています。ユダヤ教に ある意味 先祖返りしたような......)

第1節は、キリストの再臨を喜んでいます (すでに再臨した、というのは独自の教義です)。第2節では、世人が称える 「忌むべき像」 (国際連合など世俗の政治体制を指す) ではなく、「平和の君」 (キリスト) への賛美が歌われています。しかし、某教団は密かに その国際連合の NGO になっていた過去が暴露されています。

歌詞には多少の変化はありますが、メロディーは 1950年の登場以来変わっていません。某教団歌集の中では、最も演奏の易しい曲の一つでしょう。

なお、この歌は 2009年版の歌集には引き継がれませんでした。

資 料 1950年版 4番
「"Be Glad, You Nations, with His People!" (仮訳:『国々の民よ、主の民と共によろこべ』)」

[PNG] [歌詞] [曲MIDI]

1966年版 6番 「"Be Glad, You Nations" (『諸国民よ、喜べ』)」

[歌詞] [曲MIDI]

1984年版 14番 「"Be Glad, You Nations"! (『諸国民よ、喜べ!』)」

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

2009年版歌集には載っていません

 

2016年版歌集には載っていません

 

[ 歌詞・曲ともに 1950年版まで遡る歌一覧へ ]


26番

Meeting God's Requirements (神のご要求を果たす)

作詞者

非公表

作曲者

非公表

解 説

某教団の歌にしては乗りやすい、同じリズムで一貫した曲。すでに 50年以上歌われているのが意外です。
歌詞は少しずつ変化しながら、1984年版歌集に引き継がれています。1984年版歌集では、第2節の 「神を見つめなば」 が 「瞳 清からば」 に改められました。その理由を、教団機関誌 「ものみの塔」 1986年10月15日号の記事 「音楽によってエホバを賛美する」 は、新約聖書マタイ伝6章22節のイエスの言葉と調和させたため、と説明しています。実は、英詞では、欽定訳聖書に由来する 「single」 (一意専心な) という言葉が、新世界訳聖書の用語 「simple」 (純一な) に改められたものです。
第1節の 「額に記さん、救いの印を」 の出典は旧約聖書エゼキエル書 9章4節。信者の伝道義務を強調するために、教団が好んで使う聖句です。(悪の世を憂える人々の額に印を記した故事 (というかエゼキエルの見た幻) 。お約束として、額に印の無い者は滅ぼされてしまいます。)

なお、この歌は 2009年版の歌集には引き継がれませんでした。

資 料

1950年版 11番 「God's Righteous Requirements (仮訳:神の義のご要求)」

[PNG] [歌詞] [曲MIDI]

1966年版 9番 「Meeting God's Requirements (神のご要求を果たす)」

[歌詞] [曲MIDI]

1984年版 26番 「Meeting God's Requirements (神のご要求を果たす)」

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

2009年版歌集には載っていません

 

2016年版歌集には載っていません

 

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34番

Living Up to Our Name (わたしたちの名にふさわしく生きる)

作詞者

非公表

作曲者

非公表

解 説

「わたしたちの名」 とは、「エホバの証人」 という某教団の呼称のことです。某教団は、その名は旧約聖書イザヤ書 43章10節〜12節で 神から与えられた名だと信じています。(実際には、初代会長派 との差別化を図るために、二代目会長が 1931年 [昭和6年] に採択した呼称。) エホバを証し、エホバの名を高めるのが使命と考えているようです。
歌詞は、エホバへの賛美とともに、"神の名を負った教団名にふさわしく生きる" 信者の心得を歌っています。 歌詞・メロディーともに、1950年版から若干変化しながら1984年版歌集まで引き継がれています。
なお、2009年版歌集ではト長調からヘ長調にキーダウンされ、歌詞も第2節までに短縮されました。第2節は旧・第2節と第3節が合体したような形になりました。日本語版は口語化されたためにほぼ別物になっています。2016年版歌集での邦題は直球過ぎ。

※ 注釈: 中間部で唐突に ト長調からニ長調に転調し、再び ト長調に戻ります。某教団の曲にはよくあるケースですが、初めて聴くと奇妙に感じます。繰り返し歌ううちに、"名曲" に思えてくるのです (笑)。

ところで、某教団の活動によって、エホバの名は高められましたか? 少なくとも日本では、聖書からも辞書からも撲滅寸前です。
「エホバ」 は旧約聖書の神の名 YHWH の正しい読み方でない、という理由だけでなく、輸血拒否などの問題を起こす某教団へのネガティブな反応が一役買っているのでしょう。

資 料

1950年版 15番 「Living Up to the Name (仮訳:御名にふさわしく生きん)」

[PNG1], [PNG2] [歌詞] [曲MIDI]

1966年版 8番 「Living Up to Our Name (わたしたちの名にふさわしく生きる)」

[歌詞] [曲MIDI]

1984年版 34番 「Living Up to Our Name (わたしたちの名にふさわしく生きる)」

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

2009年版 34番 「Living Up to Our Name (わたしたちの名にふさわしく生きる)」

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

2016年版 29番 「Living Up to Our Name (エホバの証人として生きる)」

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

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35番

Love's Excelling Way (愛の勝った道)

作詞者

非公表

作曲者

非公表

解 説

新約聖書コリント前書13章の、いわゆる 「愛の賛歌」 を下敷きにした歌。題名は、「あいのまさったみち」 と読みます。
歌詞の元ネタが良いので、信者には名歌のように思われていますが、メロディーは34番の歌以上に けったいな転調を行っており、初めて聴くとやはり奇妙です。ヘ長調から変ニ長調に転調後、ヘ長調に戻す辺りに無理があります (1984年版では、不自然さを伴奏で和らげようと努めているようです)。とはいえ、転調部分を除けば穏やかな良い曲です。この曲もすでに 50年以上信者に親しまれていることになります。

なお、2009年版歌集では、参照聖句が新約聖書ヨハネ第一4章7節、8節に変わり、歌詞も別物に変わりました (第2節に少しだけ愛の賛歌の面影が残っています)。また、メロディーもヘ長調から変ホ長調にキーダウンされました。

個人的な注釈: 小学1年生で初めてこの曲を聴いたときは、非常に気持ち悪かったのを思い出します。この歌を平然と、いや、感慨を込めて歌うオバサン集団 (女性信者たち) が、とてもあぶない集団に思えたものです。それでも、繰り返し歌ううちに、名曲に (以下略

資 料

1950年版 18番 「Love's More Excellent Way (仮訳:愛のすぐれた道)」

[PNG] [歌詞] [曲MIDI]

1966年版 15番 「Love's Excelling Way (愛の勝った道)」

[歌詞] [曲MIDI]

1984年版 35番 「Love's Excelling Way (愛の勝った道)」

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

2009年版 3番 「"God Is Love" (『神は愛』)」

歌詞は別の内容。曲はキーダウン

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

2016年版 105番 「"God Is Love" (『神は愛』)」

歌詞は別の内容。曲はキーダウン

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

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62番

Happy, the Merciful! (憐れみある人は幸い)

作詞者

非公表

作曲者

非公表

解 説

題名は新約聖書マタイ伝 5章7節に基づいています。
キリストの犠牲によって人類救済の道を備えた神の憐れみを称え、神に倣うよう信者に勧める歌詞ですが、憐れみを人々に分け与えること (要は布教活動) に重点が置かれているようです。
歌詞・曲ともに、1950年版から若干の変化があります。曲は、1966年版ではヘ長調から変ホ長調にキーダウンされた程度ですが、1984年版では、特徴的な 「結尾 (Postlude)」 が追加されました。これは、1981年発表のオーケストラ編曲集 『王国の調べ - III 』 で付けられたコーダを採用したもののようです。

なお、2009年版歌集には、「結尾」が無い状態で引き継がれ、歌詞も多少変更されました (日本語版は口語化で大幅に変わっています)。2016年版歌集では歌詞が別物になりました。

資 料

1950年版 29番 「Happy the Merciful! (仮訳:幸いなるかな憐れみある者)」

[PNG] [歌詞] [曲MIDI]

1966年版 34番 「Happy the Merciful! (あわれみある人は幸い)」

[歌詞] [曲MIDI]

1984年版 62番 「Happy, the Merciful! (憐れみある人は幸い)」

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

2009年版 21番 「Happy, the Merciful! (憐れみ深い人は幸福)」

歌詞は多少変更、曲はそのまま(結尾なし)

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

2016年版 125番 「"Happy Are the Merciful!" (『憐れみ深い人たちは幸福』)」

歌詞は別内容、曲はそのまま(結尾なし)

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

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86番

Cultivating the Fruit of Love (愛の実を培う)

作詞者

非公表

作曲者

非公表

解 説

「霊の実」 (→ 新約聖書ガラテヤ書 5章22節) シリーズの 1曲。題名は、霊の実の一つである "愛" を培う、という意味です。第1節の歌詞で説明されています。
35番の歌 と同様、「愛」 の重要性を説き、信者に実践を勧める歌詞です。歌詞については、1950年版から若干の変化はありますが、メロディーは変わっていません (和音は各版ごとに変わっていますが)。1984年版からは、従来の四声譜から簡単なユニゾンの譜 (弾き語り風伴奏) に変わりました。穏やかで温かみのある曲です。

なお、2009年版の歌集からは、歌詞は別の内容になりました。メロディーはそのままですが、曲の終わり近くにあったフェルマータ (盛り上がったところで音を伸ばす) がなくなりました。35番の歌で扱われていた、"どんなに天賦の才にあふれ熱心に活動しても、愛に欠けるなら空しい" という考えは、こちらの歌に引き継がれたようです。

資 料

1950年版 33番 「Cultivating the Gift of Love (仮訳:愛という賜物を培う)」

[PNG] [歌詞] [曲MIDI]

1966年版 45番 「Cultivating the Fruit of Love (愛の実を培う)」

[歌詞] [曲MIDI]

1984年版 86番 「Cultivating the Fruit of Love (愛の実を培う)」

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

2009年版 72番 「Cultivating the Quality of Love (愛を培う)」

歌詞は別の内容。曲はそのまま

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

2016年版 106番 「Cultivating the Quality of Love (愛を育む)」

歌詞は別の内容。曲はそのまま

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

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89番

The Divine Pattern of Love (神の愛の模範)

作詞者

非公表

作曲者

非公表

解 説

一見、「神の愛」 を強調しているように見えて、実は教団組織の結束を説く歌。
第1節では、愛の道から離れるな、と神が勧めます (実は、教団から離れるな、との意)。第2節は、脱落者を防ぐことが 「兄弟愛」 だと説きます。第3節では満を持して (笑) 組織がご登場です。神の愛に倣う組織にとどまり、「良き奉仕」 に励んでいきましょう、という歌なのです。

歌詞・曲ともに、1950年版から1984年版まではほぼ変化無く引き継がれています (和音は多少変化していますし、邦詞は段階的に字余りを解消しています)。弱起の 8分の 9拍子で、なかなかメロディーに乗るのが難しい歌だと思いますが、その割には信者に親しまれている歌です。

なお、2009年版歌集にも引き継がれましたが、歌詞は大幅に変わっています(日本語版は口語化されたため別物)。第3節での組織のご登場はなくなりました。メロディーもヘ長調から変ホ長調にキーダウンされました。2016年版で歌詞はさらに別物になりました。

資 料

1950年版 34番 「The Divine Pattern of Love (仮訳:神の愛の模範)」

[PNG1],[PNG2] [歌詞] [曲MIDI]

1966年版 49番 「The Divine Pattern of Love (神の愛の模範)」

[歌詞] [曲MIDI]

1984年版 89番 「The Divine Pattern of Love (神の愛の模範)」

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

2009年版 50番 「The Divine Pattern of Love (神の愛の模範)」

歌詞は大幅変更。曲はキーダウン

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

2016年版 107番 「The Divine Pattern of Love (神の愛の模範)」

歌詞は別の内容。曲はキーダウン

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

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98番

Contending for the Faith (信仰のために戦う)

作詞者

非公表

作曲者

非公表

解 説

新約聖書ユダ書 3節に基づく歌。困難な時代にあっても、世の終わりまで信仰を守り抜こう、と信者を励ます軍歌です。邦詞には、「聖徒」 という古めかしい言葉が残っています。
メロディーは、1950年版からそのまま受け継がれています (和音は多少変化)。歌詞は、第1節の出だしが 1984年版で 「メシア来たれども」 から 「イエス告げし如 (ごと)」 に変えられています。旧歌詞は、キリストの再臨 (second presence または second coming) は 1914年にすでに起こった、という独自の教義に基づいていたのですが、変更理由は不明です。
どうやら、1950年版の英詞にあった 「second presence」 (二度目の臨在) という表現は教義に合わなくなり、1966年版では 「second coming」 (再来) に変えられたものの、これも教義に合わなくなったようです。キリストがむかし降誕したのは 「一度目の臨在」 ではなく、1914年に始まった臨在が一度目なので、「二度目の臨在」 という言い方はなくなったようです (「二度目の臨在」 を否定する見解は、教団独自の新世界訳聖書 参照資料付き聖書 付録5ロを参照)。また、キリストは臨在しているものの、まだ地を裁くために目に見える形で 「来て」 はいないため、「再来」 はこれからになったのでしょう (「臨在」 と 「来る」 の違いの見解は、例えば機関紙 『ものみの塔』 2013年7月15日号の記事を参照)。
その他の箇所も、多少変動しながら 1984年版まで引き継がれました。

なお、2009年版歌集には引き継がれませんでした。

個人的注釈: 曲・歌詞ともに、どうにも好きになれない歌でした。自分の信仰のためならともかく、親から押しつけられた 「信仰」 のためには、戦うものではありません。このような文章へのリンクを置いておきます。

資 料

1950年版 66番 「Contending for the Faith (仮訳:信仰のために戦う)」

[PNG] [歌詞] [曲MIDI]

1966年版 91番 「Contending for the Faith (信仰のために戦う)」

[PNG] [歌詞] [曲MIDI]

1984年版 98番 「Contending for the Faith (信仰のために戦う)」

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

2009年版には載っていません

 

2016年版には載っていません

 

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107番

Sing Jehovah's Praise With Courage! (勇気をもってエホバの賛美を歌いなさい!)

作詞者

非公表

作曲者

非公表

解 説

信者の奮起を促す、事実上の軍歌。参照聖句は旧約聖書歴代誌下 20章21節で、ヨシャパテ (エホシャファト) 王の軍隊を、聖歌隊が先導した故事が記されています。ただし、この参照聖句は 1984年版歌集で付けられたもので、歌詞と直接の関係はありません。旧版には聖句はありません。

聴き所は、何といっても合唱 (リフレイン) 部の 「ふれよ」・「告げよ」 という 2度の叫びでしょう。実際に叫んで歌う信者はいませんが、大会などで数千人規模で歌うと、なかなか狂気を帯びていて恐ろしい歌です。1966年版以降の第2節では、他宗の滅びが近いと宣告していますし。
歌詞・曲ともに、1950年版から 1984年版までは多少変化して引き継がれていました。

なお、2009年版の歌集には引き継がれませんでした。

資 料

1950年版 41番 「Sing Triumphal Praise! (仮訳:勝ち誇って賛美を歌え!)」

[PNG1],[PNG2] [歌詞] [曲MIDI]

1955年日本語版 41番 「勝利の歌をうたえ!」

[歌詞] [電脳歌唱 (MP3)], [同、疑似ストリーム]
(信者でない私が歌うのは冒涜なので、フリーウェア に歌わせました。)

1966年版 57番 「Sing Jehovah's Praise with Courage! (勇気をもってエホバの賛美を歌いなさい!)」

[歌詞] [曲MIDI (ほぼ現行)]

1984年版 107番 「Sing Jehovah's Praise With Courage! (勇気をもってエホバの賛美を歌いなさい!)」

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

2009年版には載っていません

 

2016年版には載っていません

 

[ 歌詞・曲ともに 1950年版まで遡る歌一覧へ ]


169番

The New Song (新しい歌)

作詞者

非公表

作曲者

非公表

解 説

旧約聖書 詩編 98編に基づき、エホバ神への賛美 (「新しい歌」) を歌うよう呼びかける歌。この歌自体が新しい歌という訳ではなく、また、新約聖書 黙示録 (啓示) 14章3節の 「新しい歌」 とも無関係なようです (某教団の解釈では、黙示録の 「新しい歌」 の方は、文字通り 「14,400人」 に含まれる人にしか歌えません)。
この歌自体は、1984年版歌集で初登場したように思われていますが、実際には 1950年版にすでに登場していた古い歌です。1966年版歌集にはなぜか載せられませんでした。歌詞・曲ともに、1950年版と1984年版とで違いはあまりありません。日本語版歌詞は、合唱 (リフレイン) の肝心なところで音符が足りず字余りとなっており、目立ちます。

なお、2009年版歌集にも引き継がれ、多少歌詞が変更されました (日本語版は口語化されたため大きく変わっています。また、字余りも解消されました)。2016年版の日本語訳は、命令形の表現がなくなりました (〜しよう、〜する、という表現に変えられています)。

資 料

1950年版 67番 「The New Song! (仮訳:新しき歌!)」

[PNG1],[PNG2] [歌詞] [曲MIDI]

1966年版には載っていません

 

1984年版 169番 「The New Song (新しい歌)」

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

2009年版 28番 「The New Song (新しい歌)」

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

2016年版 62番 「The New Song (新しい歌)」

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

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172番

Keep On Seeking First the Kingdom (神の王国をいつも第一に求めなさい)

作詞者

非公表

作曲者

非公表

解 説

新約聖書マタイ伝6章33節のキリストの言葉に基づき、日々の生活の中で、神の王国 (要は某教団の活動) を最優先するよう説く歌。英詞と題名には、某教団独自の 『新世界訳聖書』 の訳語の影響がもろに現れています。
単に 「まず王国を求める」 (Seek first the Kingdom) のではなく、「王国を いつも 第一に求め」 なければならない (Keep on seeking first the Kingdom)、としています。1950年版の英詞ですでにそうなっています。新世界訳聖書が最初に発行されたのは 1950年ですから (新約部分だけ)、すぐに歌詞に反映されたようです。教団機関誌 『ものみの塔』 1968年12月15日号の 「新しい歌の本!」 と題する記事 (757頁) でもこの点が取り上げられていますが、1950年版歌集の 「四十九番(英文)」 として言及されており、日本語版 1955年版歌集には載っていなかったのかもしれません。(詳細不明。単に、邦詞には新世界訳の訳語が反映されていないためかもしれません。)

邦詞は 1981年に 「御国(みくに)」 が 「王国」 に改められ、この歌も歌詞の変更を余儀なくされました。コーラス (リフレイン) 部分は、「まず御国求め 正義求めよ」 から 「まず神の国と その義求めよ」 に変わっています。「いつも」 という概念は、辛うじて題名にだけ入りました。

なお、2009年版歌集では、曲の前半が改作されて短くなりました (合唱 (リフレイン) 部分はそのまま)。歌詞も、前半は旧歌詞の抜粋のような形です。日本語版は口語化に伴い大幅に変わりましたが、とりわけ、「いつも」 という概念が歌詞中にようやく反映されました。

資 料

1950年版 49番 「Seeking First the Kingdom (仮訳:まず御国を求む)」

[PNG1],[PNG2] [歌詞] [曲MIDI]

1966年版 92番 「Keep On Seeking First the Kingdom! (神の王国をいつも第一に求めなさい!)」

[歌詞] [曲MIDI (ほぼ現行)]

1984年版 172番 「Keep On Seeking First the Kingdom (神の王国をいつも第一に求めなさい)」

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

2009年版 40番 「Keep On Seeking First the Kingdom (神の王国をいつも第一に求めなさい)」

歌詞・曲ともに前半が変更

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

2016年版 21番 「Keep On Seeking First the Kingdom (神の王国をいつも第一にする)」

歌詞・曲ともに前半が変更

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

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204番

"Here I Am! Send Me" (『ここにわたしがおります。わたしをお遣わしください』)

作詞者

非公表

作曲者

非公表

解 説

旧約聖書イザヤ書6章8節に基づく題名。預言者イザヤが見た幻の中で、神は腐敗したイスラエル人に警告を与える人を求めます。イザヤが召しに応じた際に答えた言葉がこれです。英語の簡潔さ、日本語の冗漫さがいやでも感じられる言葉です。イザヤ書の原語 (ヘブライ語) では、「hinneni shelacheni (ヒンネニー、シェラーヘーニー)」 と、たった 2語です。
この歌も、イザヤ書に似て、まず人類の悪行を挙げ、次いで転調して、「誰が警告を告げるだろうか?」 と問いかけます。復調して、「我はここにあり」、「こよなき業に我 遣わし給え」 と答えて締めくくります。(もっとも、第3節だけは警告ではなく、慰めを語る役です。)

この歌の曲と内容は、1950年版から 1984年版まで、ほとんど変わっていません。日本語の題名は、使用する聖書翻訳によって変化しています。1968年邦訳 (旧版) では、文語訳に基づき、『我こゝにあり 我をつかはしたまへ』 でした。1981年改版 (下の資料欄の 1966年版を参照) は、1982年に新世界訳聖書日本語版が出る直前で、若干語感が異なります。1984年版の題名は、なぜか新世界訳と異なる部分があります。

なお、2009年版歌集では、メロディーはヘ長調から変ホ長調にキーダウンされた上、前半が改作され、音程の上下が緩和されました。特に、転調して 「誰が行くか?」 と問いかける部分のメロディーは簡潔になっています。復調した主題の部分のメロディーは変わっていません。

資 料 1950年版 77番 「"Lord, Here Am I; Send Me!" (仮訳:『主よ我こゝにあり我をつかはしたまへ』)」

[PNG1],[PNG2] [歌詞] [曲MIDI]

1966年版 109番 「"Here I Am! Send Me" (『わたしはここにおります。わたしをお遣わしください』)」

[歌詞] [曲MIDI (ほぼ現行)]

1984年版 204番 「"Here I Am! Send Me" (『ここにわたしがおります。わたしをお遣わしください』)」

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

2009年版 10番 「"Here I Am! Send Me" (『ここにわたしがおります! わたしを遣わしてください』)」

曲はキーダウン、前半が変更

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

2016年版 75番 「"Here I Am! Send Me!" (『ここに私がおります! 私を遣わしてください!』)」

曲はキーダウン、前半が変更

英詞:Watchtower Online Library(直リンク)
邦訳:Watchtower Online Library(直リンク)

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2-5-B. 歌詞のみ 1950年版まで遡る歌

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2番

Obeying God Rather Than Men (人間より神に従う)

作詞者

非公表

作曲者

非公表

解 説

題名は、新約聖書 使徒行伝 5章29節の言葉に基づいています。神の命令と 人間の支配者 ("カエサル") の命令とが相反した場合は、神の命令の方に従う、という教義を教え諭す歌です。(某教団は "徴兵に応ずることや政治への参加も神の命令に反する" と考えているため、世界各地で問題となっています。) ただし、神の命令に反しない限りは、キリストが語った 「カエサルのものはカエサルに返せ」 (マタイ22章21節ほか) との言葉に従うよう勧められています。

第2節、第3節の歌詞は、1950年版歌集にまでさかのぼります。1950年版、1966年版ではそれぞれ別の短い曲で歌われていました。(1950年版の曲は、1928年版歌集 [231番] のクレジットによれば ベートーベンの曲からの編曲です。1966年版の曲の作者は明らかにされていません。) 1984年版歌集では第1節・第4節が追加され、現在の長いメロディーが付けられました。歌の主題が強調されたためであり、機関誌 『ものみの塔』 1986年10月15日号の記事 「音楽によってエホバを賛美する」 [資09] の中で言及されています。

現在のメロディー自体は、1966年版歌集以来 信者に親しまれている曲です。1966年版では 「終わりの七つの災厄を注ぎ出す」 という題名で、啓示 (黙示録) 16章に基づく別の歌詞が付けられていました。

資 料

1950年版 80番 「Pay What Belongs to God (仮訳:神のものを神に納めよ)」

[PNG] [歌詞] [曲MIDI (別の曲1)]

1966年版 79番 「Pay Back God's Things to God! (神のものは神に返しなさい!)」

[歌詞] [曲MIDI (別の曲2)] (破門歌集のページ参照)

1966年版 113番 「Pouring Out the Seven Last Plagues (終わりの七つの災厄を注ぎ出す)」

[歌詞 (別の歌)] [曲MIDI (現行)] 

1984年版 2番 「Obeying God Rather Than Men (人間より神に従う)」

[歌詞 (現行)] [曲MIDI (現行)] 掲載自粛

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93番

Jehovah's Lovely Place of Worship (エホバの崇拝の場所は麗しきかな)

作詞者

非公表

作曲者

非公表

解 説

旧約聖書 詩編 第84編に基づく歌。エホバ神を崇拝する場所を慕い、エホバの恵みを称える歌です。
詩編 第84編に基づく歌は某教団初期の歌集にも登場していますが、現行の歌詞につながる歌詞は 1950年版歌集で初登場したものです。 1966年版歌集で現行の歌詞となりました。神の居所は、1950年版では複数形 (dwellings) ですが、1966年版以降は単数形 (place) に変わっています、これは、某教団の使う聖書翻訳が新世界訳に変わったことと関係しているようです。第3節の 「汝 (な) が庭の一日 (ひとひ)、千日 (せんにち) に勝る」 の箇所だけはずっと変わっていません。
1950年版で使われていた曲は、『ものみの塔』誌 1968年12月15日号の記事 [資07] によれば、ウェーバーの作曲でした。1966年版歌集で現在の優雅な三拍子の曲に変わりました。

資 料

1950年版 24番 「The Dwellings of the Lord (仮訳:主の御住まい)」

[PNG] [歌詞] [曲MIDI (別の曲)]

1966年版 48番 「Jehovah's Lovely Place of Worship (エホバの崇拝の場所は麗しきかな)」

[歌詞 (現行)] [曲MIDI (現行)] 

1984年版 93番 「Jehovah's Lovely Place of Worship (エホバの崇拝の場所は麗しきかな)」

[歌詞 (現行)] [曲MIDI (現行)] 掲載自粛

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97番

Jehovah's Attributes (エホバの属性)

作詞者

非公表

作曲者

非公表

解 説

某教団がエホバ神の属性と考える四つの属性 (力、知恵、公正、愛) を称える歌。

歌詞は 1950年版歌集から登場しており、1966年版歌集で若干歌詞が改められました。元々の曲は短いながらも荘重な曲でしたが、1984年版では現在の曲に改められました。機関誌 『ものみの塔』 1986年10月15日号の記事 「音楽によってエホバを賛美する」 [資09] の中で、某教団信者の作曲でないことが判明した 2曲の歌のメロディーが変更されたことが説明されており、そのうちの 1曲がこの歌と考えられます (もう 1曲は 180番 「神の書 ― 貴重なもの」)。
英語版の歌詞は 1966年版から変わっていませんが、邦訳歌詞は、1984年版で曲が変わったのに合わせて変更されています。

資 料

1950年版 35番 「Jehovah's Attributes (仮訳:エホバの属性)」

[PNG] [歌詞] [曲MIDI (別の曲)]

1966年版 50番 「Jehovah's Attributes (エホバの属性)」

[歌詞 (ほぼ現行)]  [曲MIDI (別の曲)] (破門歌集のページ参照)

1984年版 97番 「Jehovah's Attributes (エホバの属性)」

[歌詞 (現行)] [曲MIDI (現行)] 掲載自粛

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175番

The Heavens Declare God's Glory (天は神の栄光を告げ知らせる)

作詞者

非公表

作曲者

非公表

解 説

旧約聖書 詩編 第19編に基づく二つの歌のうちの一つ (もう 1曲は 79番)。こちらの歌の方が古くから登場しています。おおむね聖書の言葉に沿い、エホバ神の栄光を称え、神の律法に感謝する歌です (もっとも、某教団はユダヤ教ではありませんので、旧約聖書の律法に直接服従している訳ではありません)。

歌詞の元ネタは詩編の中でもよく知られている箇所ですので、古い歌集にも詩編 第19編に基づく歌があります (例えば、1928年版歌集 272番の歌 「The Glory of the Lord (主の栄光)」、1944年版歌集 53番の歌 「The Glory of Jehovah (エホバの栄光)」)。ただし、現在の歌詞に直接結びつく歌詞は、1950年版歌集 (72番の歌) に登場したものが最初のようです。曲は、それら古い歌で使われていた曲 (「CREATION」: ハイドン作曲 オラトリオ 『天地創造』 第1部第13曲より) が引き続き使われていました。
1966年版でそれまでの第3節の歌詞が増強されて、第3節と第4節に分かれました。曲は信者の手になる現在の曲が付けられました。邦訳は 1984年版で若干 歌詞が改められています。

資 料

1950年版 72番 「The Glory of Jehovah (仮訳:エホバの栄光)」

[PNG] [歌詞] [曲MIDI (別の曲: CREATION)]

1966年版 104番 「The Heavens Declare God's Glory (天は神の栄光を告げ知らす)」

[歌詞 (現行)] [曲MIDI (現行)] 

1984年版 175番 「The Heavens Declare God's Glory (天は神の栄光を告げ知らせる)」

[歌詞 (現行)] [曲MIDI (現行)] 掲載自粛

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192番

Making Known the Kingdom Truth (王国の真理を知らせる)

作詞者

非公表

作曲者

非公表

解 説

家から家への布教活動は信者の努めであり、特権だと説く歌。

1984年版歌集で初登場した歌のように見えますが、歌詞は 1950年版歌集にすでに登場していました。メロディは現在のものと異なり、「ANVERN」「The Cyber Hymnal」によれば、有名な賛美歌作曲家 Lowell Mason [1792-1872] の作曲) が使われていました。
1966年版歌集には掲載されませんでしたが、1984年版歌集では、多少歌詞が改められた上、信者による新しい曲が付けられて再登場しました。16分音符を多用した独特の伴奏が印象的な曲です。

資 料

1950年版 78番 「Progressing in Service (仮訳:奉仕に邁進する)」

[PNG] [歌詞] [曲MIDI (別の曲: ANVERN)]

1966年版には載っていません

 

1984年版 192番 「Making Known the Kingdom Truth (王国の真理を知らせる)」

[歌詞 (現行)] [曲MIDI (現行)] 掲載自粛

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215番

Extending Mercy to Others (他の人々に憐れみを示す)

作詞者

非公表

作曲者

非公表

解 説

悪しき 「世」 が滅びる前に、人々に警告せよ (= 布教せよ)、と信者に勧める歌。それが人々に 「憐れみ」 を示すことだ、と説いています。第1節では、ノアの大洪水の故事が模範として触れられています。神は悪人の根絶を決心しますが、義人ノアを憐れんで箱船を造らせ、人々に警告する役割を与えます。ノアは造船など未経験でしたが尻ごみせず従い、洪水を生き残りました。

今のメロディーになったのは 1966年版歌集からですが、歌詞自体は 1950年版にすでに登場していました。1950年版での曲は、ベートーヴェンのピアノソナタ23番 『熱情』(op.57) 第1楽章のフレーズが元になっていました。信者作曲の現在のメロディーは、リズムは 1950年版の曲によく似ており (歌詞の韻律の都合?)、どこかクラシカルな雰囲気を持っています。

歌詞は若干変化しながら引き継がれています。大きく変わっているのは第3節末尾の、人々を勧誘する文言です。1950年版では、「エホバの大いなる山へ、神の王国へ逃れよ」(大意) ですが、1966年版では、「救いの箱船へ、神の王国へ逃れよ」(大意) に変わりました。それが 1984年版では、「完全に献身し、神の王国に仕えよ」(大意) に改められました。この理由について、機関誌 『ものみの塔』 1986年10月15日号の記事 「音楽によってエホバを賛美する」 [資09] は、ノアの箱船が予表していたものは神の王国ではなく 「霊的パラダイス」(= 教団コミュニティ) だと、1974年に解釈が変わったため、と説明しています。1966年版の歌詞は、「救いの箱船」 と 「神の王国」 が同格になっていた (英詞の場合) のが問題だったようです。確かに、箱船 (→ 教団) は、水が引いて現れる新世界 (→ 神の王国) へと生き残るための手段であって、王国そのものではありません。

資 料

1950年版 87番 「Extending Mercy to Others (仮訳:他の者に憐みを示す)」

[PNG1],[PNG2] [歌詞] [曲MIDI (別の曲: 「熱情」)]

1966年版 117番 「Extending Mercy to Others (他の人々にあわれみを示す)」

[PNG1],[PNG2] [歌詞 (ほぼ現行)] [曲MIDI (ほぼ現行)] 

1984年版 215番 「Extending Mercy to Others (他の人々に憐れみを示す)」

[歌詞 (現行)] [曲MIDI (現行)] 掲載自粛

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2-5-C. 曲のみ 1950年版まで遡る歌

92番

Preach With Boldness (大胆に宣べ伝えよ)

作詞者

非公表

作曲者

非公表

解 説

布教活動での奮起を信者に促す歌。例によって、サタン (悪魔) の攻撃への警戒を歌い (第1節)、「などか人恐れん/数にては劣りても」(第2節) と、敵を恐れないよう信者を励まします。8分の 9拍子の明るい曲ですが、勇ましく歌われる傾向があるようです。
現在の歌詞と曲の組み合わせは 1966年版歌集からですが、曲の方は別の歌詞と共に 1950年版歌集に登場していました。旧歌詞では、旧約聖書イザヤ書62章10節に基づき、諸民のために 「しるし(the Signal)」 を高く掲げよ、と歌っていました。「しるし」 とは、この歌では新王キリストを指していたようです (1950年版第1節)。現在とは全く異なる歌詞ですが、恐れのために信者が布教活動を尻込みするのを諫めるあたり (1950年版第3節)、教団の姿勢は変わっていません。

資 料

1950年版 85番 「The Signal (仮訳:しるし)」

[PNG1],[PNG2] [歌詞 (別の歌)] [曲MIDI]

1966年版 51番 「Preach with Boldness! (大胆に宣べ伝えよ!)」

[歌詞 (ほぼ現行)] [曲MIDI]

1984年版 92番 「Preach With Boldness (大胆に宣べ伝えよ)」

[歌詞] [曲MIDI]

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2-6. [ 1966年版歌集より前に初登場したと考えられる歌 ]

資料がないため確かなことは書けませんが、曲については数曲、1966年版歌集より古いものがあるようです。

例えば、機関誌 『ものみの塔』 (日本語版) 1968年12月15日号の 「新しい歌の本!」 と題する記事によれば、1966年版歌集で採用された新しいメロディーのうち約 10曲は、「地域大会の音楽」 というオーケストラ曲集から編曲されたものです。その 10曲の内訳は不明ですが......。
このほか、32番の歌 「From House to House (家から家に)」 のメロディーは、1976年の年鑑 (日本語版) によれば、1960年代初頭に中国の獄中で作曲されたようですが、教団の音楽として採用されたのは 1966年版歌集が最初でしょう。

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2-7. [ 1966年版で初登場したと考えられる歌 ]

ここに挙げる歌の中には、前述の通り、オーケストラ曲集で すでに登場していた歌もあるはずです。資料が無い間は、ここに分類しておきます。

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2-7-A. 歌詞・曲ともに 1966年版まで遡る歌

未執筆です。とりあえず、歌名のみ挙げておきます。

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2-7-B. 歌詞のみ 1966年版まで遡る歌

未執筆です。とりあえず、歌名のみ挙げておきます。

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2-7-C. 曲のみ 1966年版まで遡る歌

未執筆です。とりあえず、歌名のみ挙げておきます。

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2-8. [ 1984年版歌集より前に初登場したと考えられる歌 ]

1984年版歌集より前の歌集に登場せず、ほかの教団出版物に登場していたと言える歌は、以下の通りです。とりあえず、歌名のみ挙げておきます。

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2-9. [ 1984年版で初登場したと考えられる歌 ]

リスト未作成。ここまでで挙げられていない歌は、すべてこの分類に入ります。

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以下、こんな調子で作成予定。

「某教団賛美歌の歴史を野次馬する頁」 表紙2. 1984年版歌集各曲 解説 (1) 解説 (2)


著作権について・その他注釈

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